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Z1-Rは、ハンドリング、高速安定性どちらも問題のある車体と言われています。18インチにサイズダウンされたフロントホイールに、ファイバー製のやたら重たいカウル、それをマウントするごついライトステーに低くセットされたハンドルバーでは、カフェレーサーとしてのスタイルは抜群ですが、やたらフロントヘビーのバイクになってしまいました。
このZ1-Rのオーナーとは、10年以上の付き合いですが、当初はやはり峠、高速とも走りに納得できず、モデファイの相談を受けました。もちろん、ステムベアリングとフォーク、スイングアームピボットは、オーバーホールを済ませていました。70'SのAMAフェチの彼は大幅なモデファイを好まず、あくまでノーマルのスタイルを崩さないのが条件でした。
まず、定番のZ650のステムの移植。オフセットを60mmから50mmにする事で、トレールを増やすことで直安の確保を狙う。ついでにアンダーステムの裏側に鉄板で補強をいれて剛性を上げよう。
「どう?」
「少し、ましになってます。」
「その程度?、じゃあ、カウルを外品のFRP製とかにしてみる? それで、少しはフロントを軽くできる
 けど。」
「純正がいいです。」
「じゃあ、スイングアームをショートにして、フロントの重量配分を減らそう。」

Z1-Rのスイングアームは、あまり知られていないが他のZより、5mm程長い物に変更されている。スプロケットとチェーンに変更は無いのでホイールベースは変わらない。
そこで、KZ1000MK2のアームに交換する事し、530にサイズダウンしたチェーンを出来るだけチェーンスライダの前の方にセット出来る様スプロケットをチョイスした。
これで、多少伸びのあったチェーンの交換前から、15mm程短縮することが出来た。
フロント、リヤのサスのイニシャル設定等で、かなり満足できる性能となったが、最終はモリワキカヤバのフォークに交換する事で完全に満足できる性能となった。
少しフォークを長めにセットする事で、高速ではトレールの確保、峠では、重心が上がった事とリヤの加重が増えた事でZらしい軽快な乗り味が味わえる。何が何でも、太いフォークに後ろ上がりの姿勢にしたがる人が多いですが、スーパースポーツの数値が全てではないです。
こんなのも、十分あり、だと思います。オーナーのこだわりと個性に合わせ、セットアップした、Z1-Rです。