
何処から見てもZ1カスタムですが、Z1Rフレームとエンジンで組み上げられた車両です。
バルブタイミングにバルブクリアランスを測定、調整を行い、キャブレターのセッティングで入庫頂きました。
ノーマルエンジンにST-1カムの組み合わせで、バルブタイミングが規定値にセット出来ないので、、
エンジンのパフォーマンスにも疑問があるという事ですので、カムカバーを外して見ましょう。

1,4番上死点で、EXカムがこの位置では遅れすぎですねぇ。
カムチェーンにも伸びが見られますが、問題はこちら・・・

アジャスタブルのカムスプロケットに交換されておりましたが、カムチェーンが伸びに加えてタイミングが遅角方向にセットされておりました。
ロブセンターで87.5°ですから、規定値より20°の遅れです。

最大に進角させて、ちょうど107.5°となりました。
続いてIN側

28ピン目もO.Kですので、カムチェーンのセットには問題有りませんが、IN側のカムも遅角方向にセットされております。

それでも何故か、測定すると108°ですので、それほど悪い数値では有りませんが、規定値よりは3°の遅れです。

カムチェーンに伸びが見られ、EXカムは進角させる方向に調整したのに、INカムは遅角させないといけないと言う事は、このリジットマウントされているトップアイドラー辺りに原因が有りそうです。
取りあえず、今回は現在の仕様のままでのベストな状態にするのが目的ですので、まずはバルブタイミングを規定値に合わせておきます。
バルブクリアランスを測定、シム調整を行って、エンジンは完成です。
次にキャブレターです。
使用しているのは、TMR38φMJN です。


NO.2,3 の加速ポンプノズルが逆のファンネル側に向いてます・・・。

油面の高さもバラバラでしたので、揃えておきます。
スロットルバルブの高さを調整、ニードルのクリップ段数を変更、M/Jを番数を上げておきました。
試運転の結果低速が扱いやすくなり、パンチも出ました。
ただ、エンジンに対してキャブの口径が大きいので、それなりのスロットル操作が必要な場面もありますが
以前に比べるとかなり良くなりましたよ。
スピゴット寸法を最適化してあげるともっと良くなります。